文 Columnist Kim Mi-hee

迷ってしまうのは、気持ちが足りないからではありません
親の薬で迷ったとき、多くの方はまず自分を責めてしまいます。「私がもう少し気をつけていればよかったのに」と。けれども、その前に、迷いやすい仕組みがそもそもあるのです。通う病院が二、三か所に増え、薬局もその都度変わり、見た目のよく似た白い錠剤がいくつにもなります。記憶だけで抱えるには、最初から情報が多すぎるのです。
介護の一日を思い浮かべてみると、それがよりはっきりします。朝、出勤の支度をしながら親の薬を用意し、ある日はきょうだいが代わりに用意し、診察から戻ると薬がひとつ変わっていることもあります。誰が、いつ、何を変えたのかが頭の中にしかなければ、小さなすき間が生まれるものです。そのすき間は怠けているからではなく、疲れた人の頭にあまりにも多くの荷物が載っているというサインなのです。
ですから、出発点は「もっとしっかり覚えよう」ではありません。「覚えていなくても大丈夫なようにしよう」です。頭の中にあったものを紙の上へ、決まった場所へと移すことなのですね。整理は几帳面な人だけの特技ではなく、疲れた人のための思いやりです。この気持ちで始めれば、整理が宿題ではなく、自分を助けてくれることのように感じられるかもしれません。
はじめの一歩は、すべての薬を一枚の紙に集めること
整理のはじめの一歩は、今飲んでいる薬を一枚のリストにまとめることです。薬があちこちに散らばっていると、全体の姿が見えません。引き出しの中の薬、冷蔵庫の横の薬、かばんの中の薬袋まで、一度すべて食卓の上に出してみてください。こうして集めてみるだけで、「こんな薬もあったのね」と驚くことも少なくありません。
リストには、薬袋や処方箋に書かれている内容をそのまま書き写します。薬の名前、処方を受けた病院、袋に書かれた服用時間、薬の色と形、最初にもらった日付くらいで十分です。ここで大切なのは、自分で解釈したり推測したりして書かないことです。袋に書かれたとおりに記し、よくわからないところには「?」をつけておいて、薬剤師や医療スタッフに尋ねればよいのです。
文字は大きく、欄はゆったりと作るのがおすすめです。親も一緒に見るリストなら、なおさらです。できあがったリストは、ピルケースの近く、冷蔵庫の扉や食卓横の壁のように目につきやすい場所に貼っておきます。一枚の紙が、頭の中の複雑な地図の代わりになってくれるはずです。
曜日別のピルケースには、決まった場所と時間を
曜日別のピルケースは、介護の現場でよく使われる道具です。仕切りごとに日付と時間が分かれているので、飲んだかどうかがひと目でわかるからです。けれども、ピルケースも詰め方がその都度違うと、かえって間違いを招くことがあります。慌ただしい朝に急いで詰めていて、仕切りを取り違えてしまうこともありますよね。
そこで、ピルケースに薬を詰める時間と場所を決めておくとよいでしょう。たとえば「日曜日の午前、食卓で」のように、週に一度と決めておくのです。日差しのよく入る午前中なら小さな文字も見やすく、錠剤の色もはっきり見分けられます。眼鏡をかけ、リストを横に広げて、一度に一種類ずつ、仕切りに沿って入れてみてください。
詰めている間は、テレビを消し、携帯電話もしばらく伏せておくことをおすすめします。この十数分だけは、ピルケースとリストだけを見る時間と決めておくのです。詰め終えたら、リストとピルケースをもう一度見比べて、「確認済み」と小さく印をつけておきます。決まった時間と場所、そして繰り返しが積み重なると、この作業は少しずつ体になじんだ習慣になっていきます。
変わったことは必ず書き留め、記録はみんなで共有します
薬は一度整理したら終わり、というわけではありません。診察に行くたびに、薬が追加されたり、なくなったり、時間が変わったりすることがあります。まさにそのときが、いちばん迷いやすい瞬間です。新しい薬袋はもらったのにリストが以前のままだと、リストがかえって混乱を大きくしてしまうこともあります。
ですから、リストの下に「変更内容」の欄を別に設けておくとよいでしょう。日付とともに、どの薬が新しく加わったのか、どの薬がなくなったのかを、袋に書かれたとおりに一行ずつ書いておきます。きょうだいで介護を分担しているなら、リストを写真に撮って家族のグループチャットに載せておきましょう。「先週、薬が変わったんだって?」と確かめ合う代わりに、みんなが同じ紙を見ながら話せるようになります。
病院や薬局に行くときは、このリストを必ず持っていってください。今飲んでいる薬を一枚で見せられると、話がずっとスムーズになります。気になることが出てきたら、その都度リストの端に書き留めておき、尋ねるのもよい方法です。薬に関する判断は専門家に任せ、介護する私たちは、正確に記録して伝える役割を担えばよいのです。
薬を用意する手、その手をいたわる時間
薬を用意することは、外から見れば小さなことのようでも、いつも緊張がつきまといます。入れ間違えていないだろうか、今日はちゃんと飲んだだろうかと、心の片隅がいつも起きているのです。親を介護していたころの私もそうでした。体より先に心が疲れていく日がありました。
ですから、ピルケースを詰める時間を終えるときに、自分だけの小さな締めくくりをひとつ添えてみることをおすすめします。好きなお茶を一杯いれたり、手にハンドクリームを塗りながら香りをゆっくり味わったりするのです。私はアロマを扱う者なので、こんなときにはほのかな香りを一滴使って気持ちをなだめています。大げさなことでなくても、「今週もちゃんとできたね」と自分に声をかける瞬間が、介護を長く続けていく助けになるかもしれません。
整理とは、結局は親のためだけのことではありません。頭の中の荷物を紙に下ろした分だけ、介護する人の心にも息をつける場所が生まれます。その余白があってこそ、親と目を合わせ、食卓で今日のお天気の話をするゆとりも生まれるのです。ピルケースのひと仕切りを満たす手に、自分をいたわる手も一緒に込められますように。
今日の心ケア実践
★☆☆【今日すぐに:薬を一か所に集める】① 家のあちこちにある親の薬と薬袋をすべて出し、食卓の上に置きます。② 病院ごとに大まかにまとめて並べます。③ 白紙のいちばん上に今日の日付を大きく書きます。すべて集めてみるだけで、今飲んでいる薬の全体像が目に入り、漠然とした不安を和らげる助けになるかもしれません。
★★☆【もう一歩:一枚のリストを作る】① 紙に五つの欄を作ります。薬の名前、病院、袋に書かれた服用時間、色と形、もらった日付です。② 薬袋に書かれたとおりに一行ずつ書き写し、わからないところには「?」をつけます。③ いちばん下に「変更内容」の欄を空けておきます。④ できあがったリストはピルケースの横や冷蔵庫の扉に貼り、写真に撮って家族と共有します。記憶の代わりに紙が働いてくれるので、みんなが同じ内容を見ながら話せます。
★★★【余裕があるときに:週に一度、ピルケースを詰める儀式】① 一週間のうち一日、日差しの入る午前の時間を決めてカレンダーに書き込みます。② その時間になったらテレビを消し、眼鏡をかけて、リストを横に広げます。③ 一度に一種類ずつ、曜日の仕切りに沿って入れていきます。④ 詰め終えたらリストともう一度見比べ、カレンダーに小さく印をつけます。⑤ 最後に、一杯のお茶や好きな香りのハンドクリームで、自分のための1分を過ごします。決まった時間と手順を繰り返せば間違いが入り込むすき間が減り、最後の小さなひと休みが、次の週を迎える力になってくれるかもしれません。
この記事は、薬を整理し記録する方法についてのお話です。薬の種類や飲み方、時間について気になることがあれば、ご自身で判断せず、必ず処方した医療スタッフや薬剤師にご相談ください。
For more heart-care stories, visit the Korea Self-Healing Association.
Kim Mi-hee — aromatherapist, social worker, certified care worker, and hospital companion manager — draws on her own experience caring for aging parents to write practical, useful guidance for caregivers in the same situation. The Korean Today, Nam-Incheon.
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[ キム・ミヒ記者: incheonsouth@thekoreantoday.com ]
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